キヤノンの複合機は、操作パネルからのシンプルな操作性、カラー印刷技術の高いクオリティ、小規模企業向け複合機の商品が充実していることなどから全国的にもリピーターが多く複合機の国内シェアにおいてはトップクラスを誇っています。そのため、複合機やプリンタをはじめとする事務機器の販売手法も無理に変えなくても販売できてしまったこともあり、昔からあまり変化していませんでした。
しかし、「キヤノンカラー複合機の機能活用アンケート」を通して、お客様はご導入いただいた複合機をもっと有効活用したいと考えていらっしゃることがわかりました。このアンケート結果から、「売れるから、あえて販売手法を変えなくて良い」という状態では、本当の意味でお客様の役に立てていないのではないか?また、お客様に心から喜んでいただくにはどうあるべきか?をさらに追求してゆきました。
お客様の業務を今よりももっと深く知り、ワークフローに沿った有効活用方法をご提案しようと考えましたが、実際には、お客様によって業種も違えば、業務内容も千差万別。情報収集をしても、昔から販売手法が変わっていないこともあって、事務機業界でも有効活用の事例が少ない状況でした。
また、他社の有効活用事例があったところで、私たち自⾝が複合機の機能を使いこなし、活用事例の効果を深く理解していなければ、お客様の業務に沿ったご提案ができないことに気づきました。
そこで、まずは福井キヤノンの社内で、私たち自⾝が業務改善を通して商品を使いこなし、生きたノウハウによって、お客様の業務に沿った活用方法をご提案しよう考えました。
社内の基幹部門ICT(※1)スタッフと⽀援部門スタッフによるプロジェクトチームを立ち上げました。プロジェクトでは、一つ一つの業務フローの⽬的を理解しながら進め、お客様先でも想定される業務フローの中で商品を活用した業務改善ができないか検討してゆきました。そのうちの一つに、社内申請・承認のワークフローがありました。福井キヤノンでは、オープナーと呼ばれる社内申請システムを使用していますが、お客様先でも何らかの社内申請フローは必ずあることが考えられました。
福井キヤノンでは、オープナーに申請内容を登録後、申請用紙を印刷。⽒名の横に押印し、決裁者の机上に提出します。決裁者は申請書類を確認しながら、一枚一枚承認印を押し、最終決済者へ提出します。最終決済者は、すべての申請書類を不備がないか確認し、承認作業を⾏います。そして申請書類は必要に応じて、一定期間保管するといったワークフローになっています。
決裁者は、すべての提出された申請書類を確認しながら承認する必要があるため、紙ベースでの申請・承認ワークフローの方が、作業しやすいというメリットがありました。しかし、決裁者が出張などで不在の場合は、申請手続きが止まってしまうというデメリットもあり、申請期限に間に合わず、最終決済者の業務に影響が出ることも多くありました。
※1)ICT・・・Information Communication Technology(情報や通信に関する技術)の略。
全社的な改善効果として、紙ベースでのワークフローのメリットを損なわずに申請側・決済側ともに申請・承認業務の負担が軽減!
さらに、ペーパレス化により、使用頻度の低い複合機を撤去してスペース確保・電気代削減につながりコスト削減にもなりました!
福井キヤノンが独自に開発したFileMaker(※1)による「社内申請・承認システム」とキヤノンの複合機ソリューシ ョン
※1)FileMaker・・・FileMaker社が開発しているデータベースソフトウエア。
申請書関係の社内業務フローを再確認し、福井キヤノン独自のファイルメーカーを活用した「社内申請・承認システム」と複合機をはじめとしたキヤノン製品の融合によって業務効率が大幅に向上しました。社内改善を通して培ったノウハウをもとに、お客様の業務効率向上のお役に立てるよう努めてまいります。